技人国の転職で就労資格証明書は必要?申請方法や注意点を解説
日本で働く外国人の方や、外国人を採用する企業の担当者様から「転職するときに就労資格証明書は絶対に必要ですか?」というご質問をよくいただきます。
結論からお伝えすると、就労資格証明書は転職の際に必ず取得しなければならない書類ではありません。出入国在留管理庁(入管)でも、本人の希望に応じて交付するものとされています。
しかし、「技術・人文知識・国際業務(技人国)」などで転職するとき、新しい会社での仕事内容が、現在のビザ(在留資格)で認められる活動にあてはまるかを事前に確認できるため、とても役に立つ書類です。
今回は、就労資格証明書の概要や申請方法、在留資格変更との違いについて、わかりやすく解説します。
(執筆者:井関司法書士・行政書士事務所 代表 井関太一/元入管職員・出入国在留管理庁 2024年10月時点の公表情報に基づく)
就労資格証明書とは
就労資格証明書とは、日本に在留する外国人が「自分はどのような就労活動ができるか」を入管(出入国在留管理庁)に証明してもらうための書類です。
企業側にとっても、採用する外国人が不法就労にならないかを確認できるため、安心して雇用契約を結ぶことができるというメリットがあります。
転職時に就労資格証明書は必要?
前述のとおり、転職時に就労資格証明書を取得することは義務ではありません。取得していなくても、現在のビザの期限内であり、仕事内容が認められた範囲内であれば働くことができます。
ただし、転職後の仕事内容が現在のビザ(在留資格)の範囲外である場合は、就労資格証明書ではなく「在留資格変更許可申請」が必要です。まったく異なる職種へ転職する場合はご注意ください。
また、就労資格証明書とは別に、転職後には「所属機関に関する届出」を入管に提出する必要があります。この届出については、別記事の「外国人雇用の届出ガイド」をご覧ください。
就労資格証明書の取得を検討したいケース
就労資格証明書は、次のようなケースで取得を検討するとよいでしょう。
・転職先の会社から「今のビザで働ける証明」を求められたとき
・次のビザ更新のときに、不許可になるリスクを減らしたいとき
元入管職員の視点!仕事内容のチェックポイント
「技人国」の転職で仕事内容が適合しているかを確認する際は、以下のポイントをチェックします。
・学歴(大学の専攻など)や実務経験と、新しい仕事内容に関連性があるか
・単純作業がメインになっていないか(専門的な技術や知識を使う業務か)
・日本人と同等以上の報酬(給与)が支払われるか
次回の更新時になって不許可となるリスクを防ぐためにも、不安がある場合は事前の確認をおすすめします。
申請方法・必要書類・手数料
就労資格証明書交付申請の概要は以下の通りです。(2024年10月時点の入管情報に基づきます)
申請する場所
住居地を管轄する地方出入国在留管理官署(入管)で手続きを行います。
主な必要書類
・就労資格証明書交付申請書
・パスポートおよび在留カード(提示)
・源泉徴収票(前職のもの)
・転職先の会社概要(法人登記簿謄本、決算書のコピーなど)
・転職先での労働条件通知書や雇用契約書のコピー
・退職証明書(前職のもの)
※個別の状況により追加の証明書類が必要になる場合があります。
手数料と審査期間の目安
手数料は数千円程度(収入印紙で納付)です。審査期間は数週間から1か月程度かかることが一般的ですが、時期や混雑状況によって変動します。
「在留資格変更許可申請」との違い
よく混同される手続きとして「在留資格変更許可申請」があります。
・就労資格証明書:ビザの種類を変えずに、新しい仕事が現在のビザの範囲内かを確認する手続き
・在留資格変更許可申請:職種が大きく変わり、ビザの種類そのものを変更する手続き(例:「留学」から「技人国」へ、「教育」から「技人国」へなど)
範囲外の仕事をするのに就労資格証明書だけを申請しても認められませんので、どちらの手続きが必要か正しく見極めることが大切です。
よくある質問(Q&A)
Q. 就労資格証明書がないと転職できませんか?
A. いいえ、転職自体は可能です。ただし、次回のビザ更新時に仕事内容が不適合と判断されると更新できないリスクがあります。
Q. 自分で申請して不許可になった場合はどうすればいいですか?
A. 不許可の理由を丁寧に入管で確認し、必要な準備を整えて再申請や適切な手続きを行うことが大切です。紛争や不服申立て等が必要な場合は弁護士へのご相談が必要となる場合もあります。
まとめ
就労資格証明書は必須の手続きではありませんが、転職先で安心して働くための心強い選択肢です。
当事務所では、元入管職員の知見を活かし、ビザや在留資格のお手続きを丁寧にサポートいたします。転職後のビザ手続きでお困りの方は、まずは一度お気軽にご相談ください。
